ビジネスにおいて売掛金を回収することはもっとも重要と言っても過言ではなく、売掛金を未回収状態のまま放置しておくと資金繰りが滞ってしまい、経営状態が悪化してしまいます。

特に海外の企業と取引をする際には、輸送などに時間を要するため商品を提供した後しばらくはその代金を回収することができない場合や、代金を期日内に回収することができるかどうか判断するのに困る場合があります。

海外企業との取引においてそのような状況が発生した場合は、海外諸国のファクタリング業者と連携して取引先の信用調査を行ったり、代金の未回収リスクを保証してもらえるサービスである「国際ファクタリング」が大変便利です。

国際ファクタリングの仕組み

海外の取引先から確実に売掛金を回収するサービスである国際ファクタリングは、商品の売り手となる輸出業者と、海外から商品を購入する輸入業者に加えて、日本国内のファクタリング業者と海外のファクタリング業者の4社間で行われるサービス取引です。

輸出業者と輸入業者の間で売買が成立すると契約書や請求書などのインボイスが発行されますが、同時に輸出業者が国際ファクタリングの利用について輸入業者に通知することになります。

その依頼を受けた国内のファクタリング業者は、申込を受領した後、輸入業者の国にあるファクタリング業者に依頼を出して輸入業者の信用調査を実施します。

そして問題がなければ契約は締結され、輸出手続きや船積みなどに続いて必要書類が提出されます。

国際ファクタリングのメリット・デメリット

◇メリット

・信用状の開設は不要
国際ファクタリングは信用状の開設が不要です。

信用状を開設する場合には銀行の審査などを通過する必要がありますので、信用状を発行しなくても良いのはアドバンテージになるでしょう。

・売掛債権の全額保証

事前に信用調査が行われる国際ファクタリングは売掛債権が全額保証されています。

出荷をしたことが証明できる船荷証券(B/L)などの書類を提出することで代金を請求することができるので、入金スピードが早くなり、商品の提供から代金回収まで滞りなく実施することで資金繰りが改善します。

・商品到着前の売掛金回収

信用状を利用した取引は、信用状を発行している銀行に船積書類を送付する必要があるので、一般的に書類の到着には時間がかかります。

国際ファクタリングでは、ファクタリング業者を通して商品を出荷してから到着するまでの間に売掛金を回収できる期間があるのが嬉しいポイントです。

◇デメリット

・手数料の加算

国際ファクタリングを利用する際には手数料が必要になります。

信用調査の費用やファクタリングの手数料が加算される国際ファクタリングは、信用状取引と比較すると少々高額になっています。

・希少な国際ファクタリングサービス企業

現状では、国際ファクタリングのサービスを提供している企業はけっして多くはなく、国内で国際ファクタリングに対応している企業も大手などの数社に限られ、選択肢は多くはありません。

国際ファクタリングを利用すれば、売掛金の未回収リスクを回避することができる上にスムーズに代金を回収することができます。

信用調査や申し込みなどに時間を要する場合もありますが、信用状の開設が不要なので手間をかけず運用することができます。

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